睡眠時無呼吸症候群に関する よくある質問

無呼吸症候群を放置するとどのような結果を招きますか?

最終的には血管障害から脳卒中や心筋梗塞などを起したり、糖尿病等の生活習慣病が引き起こされます。中等症の睡眠時無呼吸症候群を放置すると10年後には3~4割の方が死亡してしまうともいわれ、早期治療が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が繰り返し停止するため、「ガス交換」(酸素を入れ、二酸化炭素を排出すること)が十分にできなくなります。また呼吸が止まることで、息苦しい状態から覚醒状態を引き起こし浅い眠りになります。そして昼間、強い眠気に襲われて仕事中の事故にもつながりやすくなります。
※診断基準:
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸停止が頻繁におこること、と定義されています。1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数を無呼吸低呼吸指数と呼び、この指数によって重症度を分類します。なお、低呼吸とは、換気の明らかな低下に加え、動脈血酸素飽和度が3~4%以上低下した状態、もしくは覚醒を伴う状態を指します。
軽症    5 ~ 15回未満
中等症  15 ~ 30回未満
重症    30回以上

(成人の睡眠時無呼吸症候群 診断と治療のためのガイドライン 2005)

無呼吸症候群の治療法CPAPは有効な治療なのでしょうか?

当院ではエビデンス(証拠)にもとづく治療を心がけています。証拠を重視するアメリカ耳鼻咽喉科学会の声明では、C-PAP治療が有効とされるのは睡眠時間の70%以上の時間を使用できる患者さんに限られます。さらに睡眠時間の70%以上の時間を使用できる患者さんは、C-PAP治療を受けている患者さんの50%以下であるという情報を提供しております。詳しくは以下のページを御覧ください。

午後になると慢性的な眠気に襲われています。これは睡眠時無呼吸症候群の兆候といえますか?

睡眠時無呼吸症候群は入眠時に呼吸が止まり、酸欠状態によって睡眠が中断されますが、ふたたび入眠すると、また呼吸が止まってしまうという状態が繰り返される事から、深い睡眠がとれず、慢性の睡眠不足となることによって昼間の慢性的な眠気が出現します。
睡眠時無呼吸症候群と診断された方の多くが昼間の慢性的な眠気を持たれておりますので、慢性的な眠気がある方は一度受診をお勧めします。
※【参考】当院の治療を受けられた方の術後の感想では、多くの方が昼間の眠気が無くなったとのご感想を頂いています。

その他のご質問

睡眠時無呼吸症候群の主な原因は何ですか?

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に断続的に呼吸が止まる病気です。その呼吸が止まる主な原因は、睡眠中に空気の通り道である上気道が、様々な原因で狭くなることによります。ほとんどの方が上気道が閉塞することが原因で発症します。

いびきをかくのは、体型や骨格と関係があるのですか?

首が太くて短い、下あごが小さい、舌が大きい、鼻が曲がっているといった体型の方は、いびきをかきやすいといえます。総じて肥満の方がこの病気にかかっていますが、やせている方もいびきをかくこともあります。外見よりも喉の状態や形状が大きく関係していると考えられます。以下の無呼吸になりやすい喉の写真の資料を参考にしてください。

睡眠時無呼吸症候群の治療は誰にでも効果はありますか?

当院ではレーザー治療によって口蓋垂とその周辺部位を切除し、睡眠時の気道の確保をはかっています。当院では治療を受けられた方の約90%が改善されています。しかし、肥満の度合いが高い方においては効果が出にくい場合があり、生活習慣の改善を同時に行う必要があります。